あけましておめでとうございます。昨年も大きな怪我や病気もなく、無事に新しい年を迎えられたことに、まずは感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。不透明な世界情勢やインフレの影響など、先行きの見えにくい状況が続く中で、支えてくださった方々のおかげで踏ん張ることができました。
年末年始の休暇を利用して、今、アジアの4つの国を回っています。うち1つは13年ぶりの訪問。感慨深いものがあります。短い滞在ながら街の様子を見て回ると、道路やインフラの整備状況が国ごとに大きく異なるのが印象的です。急速に高速道路を延ばしている国もあれば、まだまだ整備が遅れている地域もあって、改めて「インフラが社会に与える影響は大きいな」と実感する日々です。
スタートアップ業界では米国での上場廃止や国内でも資金調達の二極化など厳しいニュースも散見されましたが、おかげさまで ARAV は設立5年目を迎え、融資を中心に安定した資金を確保し、増収達成見込みです。これまでのフォーキャスト型経営、つまり「実績指標から近い将来を予測して進める」スタイルが功を奏した部分も大きかったと思います。また、昨年年始に立てた「2024年やること」については5分の4は達成。残1については代替手段で解決予定です。一方で、さらなる飛躍のためには「もう一歩先へ進む挑戦」をしなければならないと感じています。変化が加速度的に起こる時代だからこそ、未来の理想像を先に描き、そこから逆算して行動する“バックキャスト型”のマインドセットが不可欠だと感じています。
これまではアフターマーケット向けの“後付けソリューション”が弊社の中核でした。比較的少ない資本でも着手しやすく、顧客のリアルなニーズを聞きながら開発を続けられる強みがあったからです。ただ一方で、大規模な現場やさらなる市場拡大に向けてはスピード面での課題がありました。
そこで今後は、指数関数的な成長を狙うべく「建機+自動制御」をあらかじめセットで提供していく体制を本格化させます。人材不足や安全性への懸念が増す土木現場に対して、よりスケーラブルかつ包括的にソリューションを届けるための一手です。コロナ渦に創業した法人ということもあり設立から控えていたグローバルな取引についても、弊社内メンバーにとっては初めてのチャレンジとなりますが少しずつ開始させていきます。
無人建機の技術を極めていく先には、地上だけでなく宇宙空間での建築が見えてきます。月面や火星、あるいは宇宙ステーションをさらに大型化していくには、どうしても機械による自動制御が欠かせません。人が容易に立ち入れない環境で、安全かつ大規模に構造物を組み上げるためには、無人化工事で培ったノウハウがそのまま鍵になるのです。
インフラ整備といえばまずは地上がメインになりますが、私たちはこれを「宇宙規模」にまで広げることを視野に入れています。実際、国内外でも宇宙開発の動きは着実に進んでおり、地球低軌道や月面建築の構想が少しずつ具体化してきています。そこに私たちが貢献できる日もそう遠くはないと感じています。
- 後付けソリューションはソリッド型で引き続き堅実に伸ばしつつ、顧客の声を拾い続ける。
- 建機+自動制御の提供を本格化させ、無人化工事の普及を指数関数的に加速する仕込みを行う。
- 世界各国の宇宙でのインフラ建設のマイルストーンと、当社の無人建機を接続する道筋を整備する。
この3点を軸に、今年はバックキャストな経営を進めていきたいと思います。
2025年もよろしくお願いします🙂