カープライス(CarPrice)のビジネス考察

カープライス株式会社

先日利用したカープライスのビジネスを考察してみる。
カープライスはロシアに本社があり,設立して3年が過ぎたところ.
各国に支店を広げている.
日本におけるカープライスは2015年11月に設立.従業員は36名.

カープライス株式会社はロシアのモスクワにその本部を持つ,オンライン中古車取引仲介業を営む企業である.ロシア国内ではモスクワ市内に18拠点,サンクトペテルブルク,カザン,ニジニ・ノヴゴロド,ヴォロネジなど,モスクワ以外の15都市にも車の査定をする拠点を持つ.
カープライスは2014年にエドワード・グリノヴィチとOskar Hartmannによって設立された.

2016年には日本にも現地法人を置いている.エドワード・グリノヴィチによると日本への進出は個人売買が少なく,中古車販売の収益が多い日本の市場を狙ったものであるとされる.

wikipedia/カープライス

2017年6月に三井物産が出資している.

中古車買取バイヤーに対し,インターネット・ライブオークションを展開する「カープライス」は2017年6月20日,三井物産との資本業務提携契約を締結したと発表しました.これに伴いカープライスは三井物産を引受先とする第三者割当増資を実施しています.三井物産はカープライスの株式の25%を保有する戦略パートナーとなります.

中古車買い取りスタートアップ「カープライス」が三井物産と資本業務提携 | TechWave テックウェーブ #wave

売り上げ

以下の記事から売り上げを予想する.

Q:月に何台ぐらい売れていますか?
A:120台くらいです.トータルで1000台ほど売りました.

カープライスの梅下直也代表取締役 【独占インタビュー】 – Sputnik 日本

査定手数料は1台あたり1万円だった。
成功報酬を仮に10%とし、平均中古車価格を100万円としよう。
月の売上は、120台×11万円=1320万円

固定費

杉並本店および名古屋営業所の賃貸固定費をそれぞれ100万円とする。
オークションシステム維持費を100万円とする。
従業員数は36名で、1人あたりの給与支払いを年間1000万円とする。
月の固定費は、(100万×3) + (1000万*36人÷12ヶ月) = 3300万円

従業員数 36名

会社概要 | カープライス【CarPrice】 | 独自のオークションシステムで高額中古車買取

変動費

ロシアに本社があるので打ち合わせとか諸々で変動費は月100万円とする。

Net Burn Rate (実質バーンレート)

バーンレートは以下の式で計算できる。

バーンレートとはどれだけお金を使ったかの指標です。通常月ごとの資金燃焼率を指します。
バーンレートには大きく分けて 2 種類あります。

基本的には「バーンレート」と言われた時はネットバーンレートが使われます。ネットバーンレートの計算式は以下のとおりです。

Net Burn Rate = Gross Burn Rate – Revenue

スタートアップのお金と指標入門講座:バーンレート (Burn Rate) – Taka Umada – Medium

2080万円 = 3400万 – 1320万
おおよそ毎月2000万円、年間2億4000万円を消費していることになります。

資金状況

資本準備金はわかりませんが、
資本金は5億5000万円あるのでバーンレート約2年分といったところ。
設立が2015年11月でちょうど2年経過するので妥当な範囲なのだろうか。

資本金 555,549,098円

会社概要 | カープライス【CarPrice】 | 独自のオークションシステムで高額中古車買取

市場シェア

カープライスの年間取引台数が、120×12=1440台。
中古車市場の個人取引台数は50万台なので、
1440÷500000 = 0.00298
単純に計算すると、現在0.3%のシェアである。

2014年の国内の中古車小売市場規模は、台数ベースで270万台、金額ベースで2兆8,566億円

2014年の個人間売買市場の取引台数は約40~60万台規模

中古車流通市場に関する調査結果 2015 – 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所

競合

従来から中古車市場にいるガリバー、カーコンビニ倶楽部をはじめ、
ヤフオクやメルカリも参入してきている。

総括

売上と固定費を予想しバーンレートを見積もってみた。
約6億の資本金に対し、年間2億5000万円の消費とみた。
増員に合わせて少しずつ資金調達を行うのだろうか。
いわゆるアプリで一発当てるといったITスタートアップのような派手さは感じなかった。

新しいサービスが好きなアーリーアダプターは多少生活に余裕があるので中古車を購入しないという仮定、また中古車を売却する機会というのは生活の中でそう何度も訪れるものではないので、サービスの浸透スピードは必然的に遅いだろう。
そのような中、日常的に使用するメルカリやヤフオクなどのフリマアプリの中古車市場参入は無視できない。
あくまでグローバル市場で中古車をやり取りする日本支店といった位置づけで生き残るかもしれない。

 


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